ファミ通文庫

2011.08.02

『モンスターハンター 蒼天の証1』

 『MHP3rdノベライズ新シリーズ』ということで店頭で見かけて衝動買いです。
 既に刊行されてるシリーズも興味はあったのですが、ゲームの方をプレイしてないので見送ってたところに新シリーズ! しかも作者さんも新しい方ということでこの機会にと飛び込んでゆきました。

 ドスジャギィ→アオアシラ→ジンオウガと渓流を舞台にオーソドックスなシナリオが展開されます。
 俺は一体いつの間に、初めてドスジャギィを狩ったあのときの気持ちを忘れてしまったんだろう……(遠い目)。あと未だに罠肉使ったことねえや、そう言えば……。

 フブキ(アイルー)のかっこ良さはただごとではありませんが(でも語尾に「ニャ」)、主人公のトゥークも真面目で好感が持てるキャラクターでとても良かったです。もっと調子に乗っちゃうのかと思ってたら謙虚な子でしたね。ティカルもまっすぐな良い子だし。ガンランス……。
 キミドリは「平和主義」なのかと思いましたが「臆病」なんですかね? フブキは「勇敢」かなー。
 次の巻では別のアイルーが出て来るのでしょうか。もうアイルーさえいっぱい出て来れば何でもいいです。←

 続きも楽しみにしたいと思います!

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2008.08.07

『ファイナルファンタジーXI ~アトルガンの娘たち~』

   はせがわみやび ファミ通文庫

 FF11ノベライズ第十七、十八、十九作目です。
 物語の舞台はいよいよアトルガンエリアへ。
 主人公となるのはパーシャ&ネリィ、ミスラの姉妹。

 何故だか上下巻モノだと思い込んでいたので、三冊目があったのが少々意外な思いに囚われる。
 自分で買っといて…しかもタイトルに1、2、3って入っててなお失念するか…もう記憶力が駄目なのか…?

 偶然に大変なモノを盗んでしまったミスラの盗賊姉妹が行く先々で大変な目に遭うという内容の今回のお話。
 よりによってペタに化けるか! 数多ある候補の中からペタに化けるか! 彼女達のトラブルからの愛されっぷりが素晴らしかった。

 いろんな物事に巻き込まれてかわいそう・気の毒という点ではジェイムさんの方が圧倒的でした。
 ペタに向かって「邪悪よ、され!」言うたしな…確かに邪悪にも見えるだろうよ…中身が別人でも結局そんなに大きな違いはなかったし!

 イイ性格してるペタのオートマトン、ビシージでテンション上がりまくりのメテオリさま、妹ラブなペタ兄達、みんなみんな可愛かった。満足です。
 おかげでナバーハさんの影の薄かったこと…!
 はせがわみやびさんの小説はどうもタルタル優勢で他の種族劣勢なところがあって、そこがいいんだもっとやれ。

 続きも楽しみに読ませていただきますよー。

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2008.07.03

『ファイナルファンタジーXI ~旅の恵み~』

 はせがわみやび ファミ通文庫

カザムでの冒険を終えた後、バストゥークに滞在していたダグとリン。ある日リンの元へ、北の地へ向かったティッキィからグァバの行方がわからなくなったと連絡が入る。ダグたちは、途中でサンドリアにいるニムと合流し、ティッキィの待つ北へと旅立つのだが……!? 果たして、グァバはどこに?
好評『ファイナルファンタジーXI』ノベライズシリーズ、ファミ通文庫だけのオリジナルストーリーが堪能できます!!

 FF11ノベライズ第十六作目です。

 ヴァナ・ディールにおいてテレポやデジョンがないということがどれだけ大変なことなのかを思い出させてくれる一冊です。
 魔道士タルタル三人組のテレポに巻き込まれ、氷河からいきなりヨト石まで飛んで行ってしまったグァバくん。お遊びでテレポやデジョンIIの撃ち合いをやったことはありますが、小説世界の実体験として飛ばされたらたまったモンじゃないですね…。

 今回初登場のヒュム男シルバーさんは、ジョブが黒/赤ということでグァバくんに大層驚かれてましたが、黒/赤はそんなにおかしいのか!? 黒/赤はそんなにレアなのか!? 黒はサポ白以外つけちゃいかんと言うのか!?(思わず感情的に)(もうこれ小説の感想じゃないから)

 度々登場するラングモント峠は、ごく最近フェローとおこもりしてきた場所なので明確にイメージしながら読み勧めることが出来ました。
 目的地となる氷河も、ごく最近フェローとおこもりしていた場所なのでたやすく頭の中に思い描くことが出来ました。
 峠はともかく、氷河は結構行き交う冒険者達多かったですよ。猛吹雪の中でも孤独を感じる隙などなかったよ。

 ラストに出て来るミミック部屋って、ゲームの中にも本当にあるのかな? フェ・インはほとんど行ったことがないのでわかりません。
 アル達がプロマシアエリアに行ったから、今度はダグ達がアトルガンエリアに行くのでしょうか。とするとアルタナエリアはアル達の担当になるのかな? 最近のノベライズはどうなってるんだろう。買っているけどあらすじさえチェックしてないのは内緒です。

 今後の展開は、ペタ兄達の大活躍に期待! ですね! 

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2008.04.09

『ファイナルファンタジーXI ~新たな夢~』

  はせがわみやび ファミ通文庫

 FF11ノベライズ第十四、十五作目。
 前巻を読んでからなんと約二年が経過…道理で未読分もがっつり溜まるワケだよ…。
 このノベライズ自体もかなり息の長いシリーズですよね。それだけ面白いということですが。ほんと、良作です。

 前作の舞台はプロミヴォン、そして今作の舞台はタブナジア。
 FF11を何年やってもプロミヴォンは未クリアの人間なのでタブナジアがどんなところなのかは相変わらずわかりませんが、そんなことは全然気にならないくらいに楽しく読ませていただきました。

 何はともあれメテオリですよ! メテオライト・ベレズフォードですよ!
 ペタ曰く「一族の慣習をはなから無視したような酔っ払った名前」だそうです。
 救援要請が命令形だったり帽子がタルタルの人生そのものだったり(ゴブリン帽子に王冠!)やたらと強い魔法を使いたがる墨だったりの素敵タルタルです。
 この作者さんはおいしいタルタルをつくり出すことにかけては並ぶ者のない実力者だと思います。ああ、チットがすんごい常識人に見えてきた。
 そうですとも帽子はタルタルの人生ですとも! だってそれ以外の装備は変更してもあまりわからない!
 ダメのでかい魔法を使いまくるのは黒の浪漫ですとも!(ソロでサルタとかで使ってます)(…)
 メテオリさまのためなら俺、ナイトを極めるよ(それでもタゲをとれない予感が)(もうとるとかとらないとかいう問題じゃない)。

 後はライガンくんのにぎったスシが個人的にかなりツボでした。
 そうだよね、ガルカがにぎったら、そうなるよね…。
 合成で出来る料理はどの種族がつくっても同じ大きさになるのかしら。同じ分量でつくってるんだから同じ大きさになるのだと思いますが、そうするとタルタルには多すぎたりガルカには少なすぎたり、しないのかしら。という細かいことを考えるのがとても好きです。異種族が共生する世界、萌え。

 ペタが召喚獣でペット釣り? をやってた場面だけはちょっとわかりにくかった気がします。そこだけがちょっと、もたもたとした印象を受けました。
 と言うか俺はもっとタルタルとガルカ以外のキャラも見ようよ。

 続きも楽しみに読んでゆきたいと思います!
 読んでないだけで発売される度に買ってはいるので…!

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2008.03.21

『コッペとBB団 その3』

 田口仙年堂 ファミ通文庫

悪の秘密組織BB団(ブラック・ブリッツ)の本部に隠し部屋が発見された! そこには何と、かつてBB団を裏切った男・K次郎(ケイじろう)博士が生み出した、怪人の製造ポッドが設置されていた。コッペと同じ製法で作られた怪人……ということは、コッペの弟妹!? 騒然となるQ三郎(キューざぶろう)たち。そんな時、BB団の支部のひとつが正義の味方の襲撃を受けて───!? BB団の悪漢たちと、正義の味方が大激突! 悪の組織と不思議な少女の熱血コメディ第3弾!

 『ガーゴイルおるたなてぃぶ』に続き『コッペとBB団』もこれにて一旦終了とのこと。
 最終巻だと言うのにコッペも生活課の面々も脇に追いやられていて、新キャラばかりが目立つ何だかちょっと物足りない構成でした。
 新キャラ達とのふれあいを通じてコッペ達の日常が描けている、と言えば描けているのですが…。
 色々と心残りな幕切れではありました。

 K次郎博士が残した怪人達、コッペの弟妹達が活躍する今巻。ポテト・パパのみ「コッペの父」だと思ってしまうのは言葉の持つイメージに見事に惑わされてますかそうですか。

 四人の新怪人に対する正義の味方側、トリオ・ザ・ナイトメアの三人組は軟派にデレない硬派なツンデレって感じで、相変わらずおいしいキャラ作らせたら田口仙年堂先生は天才ですね。
 粗暴な態度で老婆に優しいお子様達にハートをがっちりキャッチされました。でもこいつらに助けられたいかと言われたらおっかないので遠慮したい。

 あらすじをどう読み違えたのかそれとも口絵ページで勘違いしてしまったのか、読み始めてしばらく経つまでこっちの三人の方をコッペのきょうだいだと誤解してて、「今回はきょうだいが敵味方に分かれてバトルするのか…コッペにとっては試練だな…」なんて勝手な話を脳内で繰り広げかけていたのは内緒です。

 当たり構わず燃やし尽くしてしまうため生まれてすぐさま隔離されグラウンドの真ん中で体育座りするミスター・フランベに萌え。
 最終巻だと言うのに顔出しすら出来なかったライトドライバーへの酷過ぎる扱いに爆笑。
 BB団のほのぼのっぷりが大好きだったなぁと思いつつ、それにしてもコッペの出番が少なかったなぁと名残惜しさを噛み締めつつ、読了。

 やっぱりもっと読みたかったなぁー…。

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2008.03.10

『ガーゴイルおるたなてぃぶ4』

 田口仙年堂 ファミ通文庫

ヒーローLV.1、駆け出し錬金術師のひかるです。悪の組織ミズチと全面対決! と意気込んでいたのはいいけれど、その矢先、ミズチのあるとんでもない企みが発覚! さらに、愕然としていた私たちのところに、(こま)が襲撃をかけてきて───早速瀕死の大ピンチ!? しかも敵は狛だけじゃない。『力持つ者』と呼ばれる何者かが、ミズチの最強の切り札らしい……。ガー助、私たち強くならなくちゃ! “もうひとつのガーゴイルの物語”感動の大団円!!

 ファミ通文庫のあらすじは見直してみるとルビがうるさいので固有名詞以外はカットすることにしました。
 というわけで『おるたなてぃぶ』第4巻です。第4巻にして最終巻です…もう終わっちゃうのか…。

 『おるたなてぃぶ』はバトルメインでガンガンに行く内容なので、四冊ぐらいがちょうど良い長さだったのかもしれないと思わなくもないのですが…バトルばっかりで長期化してもマンネリになりそうだし…それにしても、物足りない。ラストなんだからせめてもうちょっと分厚くても良かったのに…ねえ…。

 最終巻に相応しく強烈にアツいお話でした。『おるたなてぃぶ』は燃えますな!
 とりあえずは色々とおさまるべきところにちゃんとおさまって、綺麗にまとまった感じです。
 とは言え、ガー助と本家・ガーゴイル先生の遭遇がついに一度もなかったのは、残念でならない…。あの終わり方だと本編の方にガー助が出るってこともないだろうし…時間的にもリンクしてるっぽいのに、個人的には非常に惜しい! おまけ的短編でもいいから顔合わせしてほしい!

 「最強の敵を相手にすれば最強になれるけれど、ダチョウ相手にはまるで役に立たない」という『ラーの天秤』の力はひかるちゃんとガー助にはお似合いっぽくて面白かったです(笑)。

 『ガーゴイルおるたなてぃぶ』、良いお話でした。
 『コッペとBB団』も完結、ガーくん本編ももうじき終わり…田口仙年堂氏、お次は何を書かれるのでしょうか…? 

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2008.02.25

『吉永さん家のガーゴイル13』

 田口仙年堂 ファミ通文庫

ガーくんが吉永(よしなが)家にやって来て早2年。彼が守る御色町(ごしきちょう)は今日も平和で……と思いきや、怪盗百色(ひゃくしき)がただならぬ様子で訪ねてきた。何と悪の組織ミズチが、ガーゴイルと吉永家を狙っているというのだ! 門番の矜恃(きょうじ)にかけて吉永家を守ると誓うガーくんだが、その直後、家に不審者の侵入を許してしまう! しかも現われたのは、双葉(ふたば)そっくりの小さな妖精(ピクシー)で───!? ガーくんと吉永家の(きずな)を問い直す、ご町内ハートフルコメディ大好評13弾!!

 去年の11月に読了していたのですが…。
 つい先日、ガーくんを順番に貸している友達と、
「13巻も貸してたっけ?」
「12巻までしか借りてない」
「そう言えば13巻は貸すどころかまだ出てなかった! 勘違いしてた!」
 ってやりとりを交わしたばかりです。絶望的な記憶力です。
 買ったし読んだのに13巻を認識出来ていなかった…何故…?

 吉永さん家の新しい家族になったピクシーちゃんは非常にかわいらしかったし、ラストで吉永家の皆さんのためにプレゼントを買おうと決意したガーゴイル先生のそわそわっぷりもこれまた非常に愛くるしかったと言うのに…。
 『おるたなてぃぶ』4巻を読み終えたときですら「次はガーくんの13巻かー」って素で思ってましたから、ね…?

 『おるたなてぃぶ』に続きガーくん本編もいよいよ大詰め? ということで、嵐の前の静けさ的な雰囲気を色濃く漂わせるこの巻。
 ラスボス的存在がレイジなのは望むところですが、何かとお呼びのかかるケルプはともかくデュラハンやオシリスにも最後のエピソードでちゃんと出番があるのかどうかが今から気になって仕方がありません。
 デュラハンをもっと活躍させてあげてー。
 ヒッシャムさん、『おるたなてぃぶ』の方にオシリス連れて行けば良かったのに…結局最後まで内緒のまま…。

 色々期待しつつ次の巻を待ちたいと思います。

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2007.10.06

『ガーゴイルおるたなてぃぶ3』

 田口仙年堂 ファミ通文庫

ミズチを潰すと決めたはいいが、対決するにも先立つものがねえ。そこで俺、ガー助と相棒のひかるは、ある依頼を引き受けたんだが───何とその仕事は“魂の塩”の護衛で、それを狙ってんのがあの怪盗百色、、、、だと!? おいコラひかる! 仕事の場所が豪華客船だからって、ビルの住人引き連れて来て、ビュッフェだプールだとはしゃいでる場合じゃねえよ! 見ろ、船内はあっという間に妙な狐面に占拠され───っておい待て、こいつら!? 大人気シリーズ第3弾!

 発売と同時に購入し8月には読了していたにも関わらず感想文を書いている今このときはもう10月です。なんと2か月も経ってるよ…一体いつの間に…?
 大好きなシリーズのはずなのにこんだけ感想文を書くのに時間を置いてしまったということは、今巻第3巻はつまらなかったのでしょうか。そんなこともなかったけどなぁ。でも読み終えるなり感想文を書きたいと思うほどには面白くなかったのかもしれない。それは言い過ぎとしても身辺の多忙さに負けて書評が後回しになるぐらいには、自分の中で順位が低かったのだと思います。だってこれより後に読んだジーヴスはちゃんと感想書いてるものね。

 それにしても何故こんなに感想文を放置してしまったのか…胸に手を当てて考えてみた結果判明した理由は、カンジくんの正体にあったようです(ええー)。
 いや、うん、なんかアレで一気に萎えた(萎えた言うな)。つか、これまでのキャラがみんな恐ろしいほどに私のツボを直球ど真ん中ストレートでジャストミートしてたが故に、今回のわずかなズレにより拒絶反応をおぼえたと言うか…カンジくん、それまでは好きなキャラだったのに、カンジくん。まあ嫌いになったワケじゃないけどさ。
 ええー、なんか違うー…って、田口仙年堂氏の作品でここまで感じたのは初めてだったからさ。
 まあそんなこんなでちょっぴりがっかりな第3巻でありました。やっぱ違うよなー…違うよなー…(ひきずってる)。

 それはそれとしてデュラハンも出て来たことですし、次巻も楽しみに読ませていただきたいと思います。
 いつの日かおるたなてぃぶにもガーゴイル先生が降臨なされることと思うとワクワクが止まりません。
 それからたまにはヒッシャムさんのことも思い出してあげてください。

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2007.05.03

『吉永さん家のガーゴイル12』

吉永さん家(ち)のガーゴイル 12
田口 仙年堂著
エンターブレイン (2007.5)
通常24時間以内に発送します。

もうすぐ卒業───菜々色(ななしき)高校三年生の進路も様々だ。和己(かずみ)は大学進学希望、同級生で林吾(りんご)・桃兄妹の幼なじみの範太(のりた)はアメリカで絵の修行をするという。勉強の合間、範太の壁画制作を手伝う和己だが、意識しあっていた桃と喧嘩してしまった挙句、範太と桃の急接近を目の当たりに。受験目前というのに立ち直れない───。一方、怪盗百色(ひゃくしき)昧礼寺(まいれいじ)で有名画家の奇妙な作品を目にし、興味をもったためガーくんに睨まれて!? 恋と謎とが交錯する大好評シリーズ第12弾。

 『吉永さん家のガーゴイル』第12巻です。
 今巻はあらすじにもある通り和己くんと桃ちゃんがメインのお話。
 桃ちゃんがメインになると林吾兄さんの出番も増えるので私としては嬉しい! 林吾兄さんのあのバカッぷりが好きだー!

 それにしても、二人のすれ違いの原因になる桃ちゃんの爆発がいささか唐突に過ぎてついていけない印象を受けてしまったワケですが。以前から和己くんとぎくしゃくしてたような様子もなかったし、何故あそこでいきなり和己くんが怒鳴られなきゃならんのかさっぱり。
 後半になったら明かされなかった事情でも出て来るのかと思いましたがそれも特になかったし、重要な場面なのに書き込みが足りない気がするのです…まあ桃ちゃんとしてはあんなことやこんなことで気持ちの整理が大変で、だからあそこでああなっちゃったんだろうなーってことを想像で補うのは十分に可能なのですが…やはり本文中でもっと埋めておいて欲しかった。私は何でもちゃんと説明してもらいたがるタイプの読者のようなので…。
 チャック・ジーニアスのエピソードも絡んで来るから分量が足りなくなっちゃったんでしょうか?

 しかしまあ、誰かの愚痴を聞かされるとまず否定から入ってしまうヒトッて、いるよね…と妙にしみじみとした気分になったのも確か。愚痴ってるヒトが嫌いだから否定するんじゃなくて、好きだから元気づけようと思って、でもまず否定から入ってしまう人。否定された側も、嫌われてるから否定されてるんじゃないってことがわかるだけに余計しんどくなるような。読んでても和己くんの態度にはイラッとさせられるところありましたし。落ち込んでるときに説教されたらそりゃキレもするよなーというおハナシ。でもそういう対処の仕方するヒトってホント多いし。

 最終的には和己くんと桃ちゃんはちゃんと仲直りするのですが、それもまたアッサリし過ぎてて物足りないと言うか…あんだけもめてたのに何故そこまで簡単に!? あるいはそれが青春なのか!?
 色々モヤモヤとしたものが残りまくりの第12巻でした。話の内容が内容なのでこれぐらいの書き方がちょうどいいって方もおられるとは思いますが。私だってあんまりドロドロされたらさすがに嫌だし…でもやっぱり、足りない気がする。この辺難しいだろうなあ。

 第12巻は本文がそんな感じにシリアスなのにマンガ部分がはっちゃけてて、読み始める前にカラー口絵の『ガーゴイル絵描き歌』の歌詞で大爆笑したのには自分も驚きです。絵描き歌の歌詞でここまで笑えるなんて! って言うか絵描き歌じゃないよそれ! ガーくん絶対完成しないよ!!

 何はともあれ次巻も楽しみに読ませていただきたいと思います。
 『コッペとBB団』の3巻は本になるのかならないのかー…。

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2007.02.08

『ガーゴイルおるたなてぃぶ2』

ガーゴイルおるたなてぃぶ 2
田口 仙年堂著
エンターブレイン (2007.2)
通常24時間以内に発送します。

食べ物の差し入れ大歓迎! 常にハングリーな駆け出し錬金術師・ひかるです。相棒のガー助とはケンカばかりの日々で……そんなところに父の部下の西川さんが来て、ナゼか私にお見合いを勧めたり「『ラーの天秤』なるものについて調査してほしい」と頼んできたり。頑張って調べてみると、どうやら古科学と関係するものらしい!? ほどなく喜一郎くんと仮面の子・カンジくんにばったり出遭った私たちは突然怪しい人形に襲われて!? 人気シリーズ第2弾!

 もうひとつのガーゴイルのお話。おるたなてぃぶ第2巻です。

 『吉永さん家のガーゴイル』本編に比べるとご町内ほのぼの成分が大幅に減少している(皆無ではないけれど)代わりに錬金術師VS古科学者のバトル要素をふんだんに盛り込んだこの作品。
 ひかるちゃんもガー助くんも某御色町の方々に比べれば何かと力及ばないところが目立ちますが、気合い! 熱血! ド根性! でピンチを乗り切るさまは見ていてやっぱり清々しい。
 ことあるごとにケンカしてばかりの主人公二人、それでも心の底では強く結びついているから、一番大事なときに相棒を信頼出来る。カッコいいですねー、ひかるちゃんとガー助くんの関係は!

 今巻では青江さんのところを訪れたひかるちゃん達を最初にからくり人形の(こま)が襲撃して来て、そこからキー兄ちゃん達ともどもヒッシャムさんの車に乗り込んで逃げるという一連の場面における展開の上手さが光っておりました。
 田口仙年堂氏はあっさりめの文章でどんどん物語を進めてゆく作家さんという認識を以前から抱いていたのですが、その良さが思いっきり発揮されて「おおっ?」と思わせられるようなシーンになっていたと思います。スピーディで描写に無駄がない。
 無駄がなさすぎて言葉足らずに思えるか思えないかのギリギリ微妙なラインですが、展開の速さに沿えるだけの必要十分にして最小限の文章で構成されていて、非常に面白かった。そこんとこの場面だけもう一度読み直したぐらいです。
 一人だけ車の屋根に乗って狛を迎え撃つキー兄ちゃんがカッコ良かったし!(そこか!)(煮えたぎるお茶を浴びて転げ回るキー兄ちゃんも素敵だった!)(そこまでか!?) ヒッシャムさんの車もう屋根ベコベコだね! っていうかヒッシャムさんって何気に普通免許持ってるんだって今さらようやく気づいてちょっと衝撃だった。大人なんだなあ、ヒッシャムさん。

 64頁65頁見開きでひかるちゃんをかばってるキー兄ちゃんとか157頁のどんどん人間離れしつつある登場シーンのキー兄ちゃんとか、日向悠二さんのイラストも良かったです。俺の感想はキー兄ちゃんばっかりなのか? いやカンジくんも良かったよ! 案外強くてカッコいいよねあの折り紙小僧! そんな名前じゃありません!

 カラー口絵マンガに出て来るケルプの「あぁ小生のたてがみが……」も結構ツボだったし田口仙年堂氏の作品には毎度これでもかとばかりに楽しませていただいております。やっぱケルプ好きだわー…。この方の作品については好きなモノ並べてるだけの感想にしかならないわー。

 そんなワケでもちろん次巻も楽しみに読ませていただきます。
 あとがきによると「桜の季節にガーゴイル本編を」ということでしたがコッペの続きも楽しみにしてますよー!

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