『お留守バンシー3』
メディアワークス (2006.9)
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すっかり平穏を取り戻したオルレーユ城。のはずが、そうもいかないようで……。発端は居候の魔女の一言でした。
「同窓会で、この城を使わせてくれないかねェ、イヒ」
同窓会といえば聞こえはいいのですが、要はあくどい魔女が十三人も集うサバトなのでした。ぶんぶんっと首を横に振るアリアでしたが、事態は勝手に進んでいき……。
サバトから、なぜか魔人復活の儀式にすりかわり、しかも生贄がユシヤちゃんになってしまう大ピンチな急展開~!? に住人たちは、またもやおおわらわなのです。
表紙折り返しのあらすじにも帯にもサバトのことが書いてあるから今巻は魔女がたくさん出て来るサバトがメインのお話なのだろうと思って読むとまたも肩透かしを食らうことになる『お留守バンシー』第3巻です。
トファニア以外の十三姉妹が勢揃いする…にしてはこの本ちょっと薄過ぎやしないかいと危惧していたら案の定、オルレーユ城にやって来た魔女は一人だけ。
まあ、本当に魔女が十三人も集まっちゃったらそれはそれで、『お留守バンシー』という作品の方向性からちょっと外れてしまうような感じになるのかもしれませんけど、何だかなーって気分は否めませんよね…作品と言うよりあらすじとか帯の文句にビミョーな問題があるのかもしれません。こういうの誰が書くんだろう。担当の編集さん?
しかし、それ以外に大きく取り上げるべき事件が起きていないのも事実なワケで、こんだけユルいお話だと煽り文句を捻り出すのも一苦労なのかもしれません。何かが起きているようで起きていないこのユルさが『お留守バンシー』というシリーズの持ち味であり、面白いところでもあるのですが。
魔人のけったいな名前が覚えられず感性で伝達しようとするアリアちゃんが面白かった。でもそのアリアちゃんの感性に引きずられてこちらも最後まで魔人の名前が把握出来なかったよ…!
あと、魔法陣の結界を破るべく剣を振りかざしたフォン・シュバルツェンはカッコ良かったのですが、そこで初めて鎧の上から着けていたエプロンを剥ぎ取ったって描写が出て来るってコトは、イルザリアさんの部屋で立ち回りしてたときにはエプロン着けたままだったんですね…!
セルルマーニは7割可愛いんですが、ときどきムカッとくるようなところがあると思う。
そして第3巻になっても城に戻れないブラド卿。本人もあんまり帰りたがってないような…。
ともあれ、『お留守バンシー』は次巻第4巻で最終巻とのこと。
引き続き楽しみに読ませていただきたいと思います。
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Comments
Exceptional post however , I was wondering if you could write a litte more on this subject? I'd be very grateful if you could elaborate a little bit further. Many thanks!
Posted by: moving interstate | 2015.06.16 05:53 PM