『蓬莱学園の犯罪!』
『蓬莱学園の犯罪!上』
『蓬莱学園の犯罪!下』 新城十馬 富士見ファンタジア文庫
黄金生徒証。蓬莱学園10万人の生徒のうち、ほんのひと握りのものだけに与えられるという特別な生徒証。それはまさに、学園における富と名誉と権力の象徴に他ならない……と、同時に、持つ者の運命を狂わせ、災厄をもたらす───とも言われていた。
野々宮雪乃の黄金生徒証をイカサマ博打で巻き上げたソーニャ・V・枯野。黄金生徒証がソーニャにもたらすものは、富か、権力か、それとも災厄か?
『世界でもっとも危険な学園』に展開されるハイパーサスペンス第二弾!(上巻あらすじ)
蓬莱学園小説第2弾です。上下巻に分かれてはいますが一冊あたりは薄いです。
物語は『初恋!』にて描かれた『朝比奈事件』後、生徒会選挙を休み明けに控えた蓬莱学園の夏期休暇中の出来事。野々宮雪乃嬢とソーニャ・V、黄金生徒証を巡る二人の女性(ソーニャは挿絵だけ見て男性だと思ってたよ…)の熾烈な争い。
ひたすら一直線に走り抜けた『初恋!』とはまた違った意味で面白いお話です。登場人物の誰も彼もがそれぞれの思惑で行動していて、微妙なバランスで結末に向けて収束してゆくのが何とも。雪乃嬢とソーニャ・Vのお茶会のシーンとか良かったです。
最後はどうなるんだろうとどきどきしながら読み進めて行くと小説としては有り得ないようなところで終わってしまっていてちょっと唖然としましたが…『魔獣!』が続編なんですね、じゃあこの後のことは『魔獣!』の方できちんと説明してくれるのでしょうか、雪乃嬢とソーニャがどうなったのか非常に気になるし八雲生徒会長だって大変なことになってそうだしそういった個人の問題を超えて蓬莱学園としても大変なことになってそうだし、まあそんな中兵衛の旦那はそれでも無事でいるでしょうが! だって兵衛の旦那だもん!(ええー)
それにしても『犯罪!』は蓬莱学園のダークな部分に焦点を当てたような物語で、確かに面白かったんだけど私としてはちょっとなぁ…。蓬莱はもっとポジティブなお祭り騒ぎの場所というイメージがあるもので。テオドールさんの存在がなければもっと重たく暗くなっていたに違いないです。いいですね、気障なフェミニスト、しかも銃士隊。
そんなテオさんは次巻『魔獣!』にも登場するご様子。
引き続き『蓬莱学園の魔獣!』を読みたいと思います。
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