『弁天女子寮攻防戦』
『弁天女子寮攻防戦』 新城十馬他 富士見ファンタジア文庫
蓬莱学園小説6冊目。
表題作を含む5作品収録の短編集になってます。
『冒険者求む!』 波多野とおる
…蓬莱学園らしさもなければ蓬莱学園以外の小説とみても面白いところのない、何だかよくわからないお話でした。ページ数が制限されてるから書き込めてなくてそれでつまらないのか、それとももっと他のところに原因があるのかはよくわかりません…が…ま、まあいいや…。
『弁天女子寮攻防戦』 賀東招二
蓬莱学園版『ダイ・ハード』。それ以上でもそれ以下でもなく。タフガイのマックレーンをオタクっぽい三宅八郎君に置き換えてもっぱら頭脳勝負をさせたところは興味深いのですが、結局は何から何まで『ダイ・ハード』。
私はブルース大好きですし香田局長がちょっとだけですが出て来たのも嬉しかったので個人的には楽しく読ませていただきましたが、富士見ファンタジアのようなレーベルで発行される商業出版物に収録するに相応しい作品であるとは思えません。
『硝子壜の中から』 玖条正文
ちょっと文章にクセがあるように思いましたが独特の雰囲気で面白かったです。角川ホラー文庫とかに収録されていたなら素直に楽しめたのですが…だんだん蓬莱学園が何なのか執筆者にどういう影響を与える枷なのかがわからなくなってきた…。
『卒業の条件』 一二三四郎
非常に正統派な展開。それなりに面白かったです。
『南の島に、魔女の群れ』 新城十馬
冒頭の千里しのぶと魚住笙のやりとりが何故だかよくわかりませんが非常に不愉快。読み進めるにつれマシにはなってきたけれど、千里しのぶってどうも私の嫌い系の女性キャラっぽいかもしれない。面白かったかと言われれば面白かったしつまんなかったのかと言われれば否定するにやぶさかではないけれども…というところで言葉を濁す。
最初に読んだ『蓬莱学園の初恋!』が私にとってあまりに面白い小説だったためにどんどん評価が辛くなっている事実は否めないワケです。蓬莱学園シリーズの一気読みを始めたのは次の短編集に入っている『ボパティーズ・パラダイス』を読みたかったからでどうせならこの機会に買っておいたものの読んでなかった本達を読了しようと考えてのことだったのですが…ちょっとこの短編集で思いっ切り熱意をそがれてしまったかもしれない…。
そんな中『市場に出された作品には、あらゆる批評を真正面から受け止める義務が生じるのですから。』というあとがきの一文には激しく同意いたします。この本の中で一番心を動かされたのがここだったと言う…。
次の短編集は『パーフェクト・ラブレター』。終わりも近いので引き続き読んでみたいと思います。
「富士見ファンタジア文庫」カテゴリの記事
- 『ストレイト・ジャケット8 イケニエのロンリ ~THE SACRIFICE 2nd. HALF~』(2007.01.09)
- 『ストレイト・ジャケット7 イケニエのヒツジ ~THE SACRIFICE 1st. HALF~』(2007.01.05)
- 『香住の中の10万人』(2006.10.06)
- 『騎馬っていこう!』(2006.10.06)
- 『ドラゴンズ・ウィル』(2006.03.09)
The comments to this entry are closed.
Comments