『新版指輪物語1旅の仲間上1』
『新版指輪物語1旅の仲間上1』 J・R・R・トールキン/瀬田貞二・田中明子 評論社
映画化で話題になってたときは棚から綺麗に消え失せていた文庫本が図書館に戻って来てましたのでいい機会だと読み始めてみました。
みんな流行りモノには正直だよね…。職場でも一時期はまとめ買いされるお客様が大変多くて書店的には実に喜ばしいことだったのですがみんなちゃんと読破したのかなぁ…。
序章の『ホビットについて』で挫折した人が結構いるような気がします。訳のわからない覚えにくい名詞が次々出て来てこれを全部把握しとかないと本編について行けないんじゃないだろうかとかちょっと焦ってしまいます。そんなときには「名詞なんて初登場のときにいちいち覚えなくてもわかるように作者さんが書いてくれてるよ」と作家さんを信じることでやり過ごすのです。
第一巻はようやくフロド達が本格的に旅に出ようかというところで終わってます。
何か怖そうなモノが後をつけて来てたりそんな状況にも関わらずホビット達は心配してたかと思うとすぐ能天気になっちゃったり、いささか不安な幕開けではありますがきっとこれからうまくやるのでしょう。知恵と勇気とかで。
私としては魔法使いのガンダルフさんの動向が非常に気になるのですが、中盤過ぎくらいでどっか行っちゃいましたね。来るって言ってたのに。ガンダルフさんの素敵台詞を一つ。
「フロド、あんたがわしを入れてくれなければ、わしはここのドアを、吹き飛ばして、入口から山のむこうまで穴をあけてくれるぞ。」
そんなことに魔法を使わないで…ッ!?
そんなガンダルフさんはもちろんですが意外なことに好感を抱いてしまったのがサムですよ。
盗み聞きしてるところをガンダルフさんに見つかり捕まったときのサムの台詞。
「フロドの旦那あー!」サムはふるえあがって叫びました。「おらをひどい目に会わさんようにいってくだされやあー! おらを、何かおかしなものに変えんようにいってくだされやあー! おらのおやじが悲しがるでよお。悪気があったわけじゃねえ、誓ってもええですよ。旦那あー!」
かわいい…!(握りこぶし)
この朴訥そうな感じが何とも…! ってか『何かおかしなもの』って何ですかサム(笑)。
これに答えたフロドの後の台詞がまたすごいです。
「お前が本当にわたしのことを思ってくれるのなら、このことを絶対に他人に洩らすんじゃないぞ。わかったね? もし洩らしたら、ここで聞いたことについて一言でも洩らしたら、その時こそ、ガンダルフの旦那がお前をいぼがえるに変えて、この庭を蛇だらけにしてくれるとさ。」
念の入ったことで…!(衝撃)
いやいぼがえるに変えるまでは思いつけても庭を蛇で満たすなんて考えは普通浮かばない。フロドは鬼だ(わあ)。
その後のサムは特に虐げられることもなく、憧れだったエルフに会えて大感激。もーかわいいったらないですよ。現時点の印象だけで例えるなら犬。それも自分のしっぽをおもちゃか何かと間違えて追いかけ回してぐるぐる回ってる犬。何その比喩。サムかわいい。
第二巻も楽しみに読みたく思います。
少々表現が回りくどくてまどろっこしく感じますがさすがに面白いです。
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